行列貧乏になってない?利益を上げる具体的な方法とは
「集客は出来ているのに利益がなかなか上がらない…。」
経営の悩みって尽きないものですよね。
この記事では、飲食店経営において利益を上げる為の施策を解説。
黒字化・利益アップへの参考にしてみて下さい。
企業が利益を上げる為の施策
- 売上(販売数量)を増やす
- 販売単価を上げることで利益率を増やす
- 商品の原価を下げることで利益率を増やす
- 販売管理費を下げる
さて。
これらは飲食店に限らず「ビジネスを黒字化する為の基本原理」ともいえます。
ひとつずつ見ていきましょう。
売上(販売数量)を増やす
利益を上げる為の一番分かりやすい施策が、販売数量を伸ばすこと。
(商品一個あたりの利益が確保されているのが前提ですが)
ただ、今回紹介するのは「行列ができているのに儲からない」ケースでの施策。
まだ集客自体が上手くいっていないという方は、下記の記事から参考にしてみてください。
>【赤字脱却】地方の飲食店の為のWeb集客戦略【初心者向け】
回転率を上げる【提供時間を意識したメニュー作り】
では、集客は上手くいっているけどさらに販売数を伸ばすには?
ずばり、お客さんの滞在時間を短くしてお店の回転率を上げる施策が必要です。
あ、だからといって「お客さんに早く帰るよう圧をかける」とかではありません。
お店の空間・居心地も大事な商品(サービス)の一つですよね。
そこで見直したいのは、メニューの提供時間。
チャーハンとカレーライスを例に比べてみましょう。
- チャーハン
→注文が入ってから作り始める。提供時間10分前後。 - カレーライス
→作り置きができる。ご飯にルーをかけるだけ。提供時間2分前後。
単純計算ではありますが、仮にそれぞれ30食売れた場合、
時間差8分×30=240分
これだけの差が生まれるわけです。
何が言いたいのかというと「提供時間の長いメニューは入れ替え(または改善)を検討しよう」ということ。
見えないロスを無くすため、しっかり見直してみてください。
また、提供時間を短くすれば満足度も上がる為、一石二鳥です。
販売単価を上げることで利益率を増やす
販売単価を上げれば、商品一個当たりの利益率が上がります。
販売数を増やすよりも、手っ取り早く利益率を上げることができますね。
ですが、同時に「値段を上げたら売れなくなるんじゃないの?」という疑問も。
たしかに、付加価値もつけずにいきなり値上げをすれば売上個数は減ります。
あとはやり方次第。
上手く値上げするコツもいくつか紹介します。
「松竹梅」の法則
自然に販売価格を上げる方法に、松竹梅の法則というものがあります。
ざっくりいうと、異なる価格帯・サービス内容の商品を三つ並べて販売すると、多くの人は真ん中の価格帯の商品を買う傾向があるというもの。
・肩ロース
・上ロース
・極上ロース三択ロース。
— しんすー (@shinsu_blog) December 26, 2020
サンタクロース…は、さておき。
人は、三つの選択肢があると真ん中を選びたくなるんです。
日本人はとくに両極端の選択を避けがち。
一番高いコースは贅沢だし、一番安いコースだと満足できなさそう。真ん中でお願いします。
という感じ。
そして、「松竹梅の法則」のメリットはもう一つ。
それは、お客さんの「買うか、買わないか」という選択肢がいつの間にか「どのコースにするか」という選択肢に切り替わるということ。
一例ですが、1000円のランチメニューを1200円に値上げしたい場合、下記のような具合でメニューを用意します。
< ランチメニュー >
- 絶品!美味フルコースセット:2500円
- 充実!日替ランチセット:1200円
- 節約!シンプルセット:700円
「松」に該当するコースはとことん高級感・質の良さを前面に出していいし、「梅」にあたるコースは多少のチープさを出してもOK。
値上げしたメニューをさりげなく潜り込ませることができます。
罪悪感を取り除く
販売単価を上げたいなら、高くても買ってもらえるような理由付けをする必要があります。
そこで使えるのが「罪悪感を取り除く」という施策。
例を出すなら、プリン体ゼロをうたうビールや低カロリーの食品など。
「高いから」「太るから」という罪悪感を取り除いてあげるんです。
少し高いけど、健康に良いなら買っちゃおうかな。体は一番の資産っていうし。
といった具合。
購入を迷っている人へ免罪符を与えるイメージです。
他にも潜在欲求を利用して単価を上げるなど、方法はたくさんあります。
行列貧乏にならない為にも、ぜひ取り入れてみて下さい。
商品の原価を下げることで利益率を増やす
商品原価を下げるのも、利益を上げる為の一つの策ですね。
ただ、安易にサービスの質を落とすのは危険。
ブランドイメージに傷が付き、販売数が激減する恐れがあります。
品質を維持しつつ商品原価を下げるには、仕入れ値をテコ入れするほうが現実的です。
仕入れ値を下げる為の施策を見ていきましょう。
大量仕入れにより購入単価を下げる
大量に仕入れることで購入単価を下げる、あるいはその交渉をするといった方法があります。
ただし、消費期限切れによる廃棄ロスを防ぐ為、消費期限の長いものを大量に仕入れる必要あり。
ちなみに、原価率を圧迫している割合の大きいものから着手すると効果が出やすいですよ。
相見積もりなどを行い仕入れ業者を選定・見直しする
定期的に複数の仕入れ業者に見積もりを出してもらい、一番安い業者にお願いするという方法。
相場感のデータを得られる上に、より安い仕入れ業者を選ぶことができます。
さらに、一年に一回など定期的に相見積もりを実施することで、仕入れ業者のコストに対する意識・緊張感を持ってもらえます。
そして見積の提出を毎度一回きりという取り決めにすれば、より強い緊張感をもたせることも可能。
仕入れの在り方自体を見直す
仕入れ業者がほとんど中抜きしかしていない場合は、直接生産者と繋がるという方法も。
マージンがないぶん、原価を抑えられますね。
あとは、ゴリ押しではありますが「仕入れる側ではなく自らが生産者になる」という力技もあります。
- メニュー食材の野菜を自分で栽培する。
- 自社工場を構えて製造単価を抑える仕組みを作る。
などなど。
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販売管理費を下げる
飲食店の利益率を上げるには、販売管理費を下げるのも大事。
光熱費やテナント賃貸費用、人件費などがこれに該当します。
光熱費の節約は意識しているはずだし、テナント賃貸費用はすぐに削るのは難しいですよね。
なので、販売管理費の中でも「人件費」を削減できる施策を解説します。
もちろん、在庫管理をしっかり行うなど基本的なことも必要ではありますが。
マニュアルを作って業務効率化・人件費削減
実は、業務マニュアルをしっかり作り込むことは人件費の削減に繋がります。
しかも、業務マニュアルは「誰がやっても一定の品質を保つ」という意味でも重要。
「うちは小さい店だし、従業員も少ないからそんなのは必要ないかな。」
という声も聞こえてきそうですが、そんなことはありません。
人数が少なくても、マニュアルがないことで発生する「無駄な時間」は結構大きいです。
業務マニュアルが無いことで起こりうるリスク
業務マニュアルが無いことで起こりうるリスクは下記のとおり。
スキル不足
一つの作業にかかる時間が遅かったり、手が空いているのに手伝うことができない、手待ち時間が増えるなどの無駄が発生します。
スキルの属人化
「この作業は○○さんしかできない」
「これの対応方法は○○さんしか知らない」
という状況が発生。
特定の人に依存してしまう構造は、組織としては致命的ですよね。
作業ミス発生
認識のズレも発生しやすくなり、作業ミスに繋がってしまいます。
リカバリの度に手間がかかるだけでなく、会社の信頼度にも直結。
業務マニュアル作成のコツ
5W1H(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように)を明確に作る。
定期的に見直し・更新をしていく。
業務マニュアルは、作業を見える化し効率化する為の重要ツール。
ひいては、人件費削減に繋がります。
メニューを絞って業務効率化・人件費削減
メニューを絞る、または構造自体を簡素化するのも利益アップに繋がります。
レシピが煩雑だったりメニューが多すぎると、厨房がごちゃごちゃに。
これは大きなロスが発生する原因にもなります。
手間のかかるメニューから優先的にテコ入れ・改善してみてください。
>【赤字脱却】地方の飲食店の為のWeb集客戦略【初心者向け】
まとめ【「行列なのに儲からない…」飲食店の利益を上げる具体的な方法】
利益率を上げるために様々な改善施策を講じるのは重要なことです。
ですが、全ての施策が必ずしも上手くいくとは限りません。
なんらかの施策を実行したら、必ず効果を比較・分析しましょう。
効果が出た施策を継続していくことで、着実に利益が上がるはずです。